好きだったおじいちゃんのはなし。
つい1ヶ月前に団地の入り口に住んでいる家のおばあちゃんが亡くなった。このおばあちゃんは親戚でも何でもない。近所の人だ。
おじいちゃんが介護していると聞いていただけで、おばあちゃんを見たことはない。
亡くなったことを聞いたとき、おばあちゃんのことよりもおじいちゃんが寂しくなるなぁとおじいちゃんのことばかりを思った。
そして、一昨日その家のおじいちゃんが亡くなった。
数日前、家の前を通った時、おはようの挨拶をしたのに。元気そうだったのに。
朝おはようって返してくれた人がこの世界から居なくなった。
小さい頃、川でイタズラをして怒られたこともあるし、学校から帰ると「おかえり」と顔はちょっと怖いけどあったかい声をかけてくれた。
居たはずの人が今日居なくなって、居なくなったことを忘れたように今日がやってくる。
人間ってそういうものだけど、それを目の当たりにすると悲しいし、寂しい。
これからも毎朝おじいちゃんの家の前を通るたびに、あのちょっと怖い顔を思い出すのだろうか。
今日は、ゆっくり家の前を通ろう。
おはようございます、お疲れ様って、ありがとうって伝えよう。
いつもありがとう。