パンツ
私の弟は双子だ。全く似てない双子だ。
双子なりに苦労があるらしい。家の中では仲睦まじい様子でじゃれあっている彼らだが学校では同じ高校に通いながらも双子ということを周りに隠して生きているらしい。
先日彼らが同時にインフルエンザにかかってしまった。同じ教室で受ける「数学」の授業があるらしい。そこで双子と知っている数学の先生が彼らが「双子」であることをばらしてしまったらしい。
「ふたりとも休みか~まぁ双子だし一緒の布団で寝とんじゃろ~」
その情報を出席していた友人から聞いたらしい。本当に最悪と愚痴をこぼしていた。
そんな双子だが、今日も朝に
「俺のセーターお前が着てるだろ!!!」
「いや?着てない」
「ここに俺のマークついとるじゃんか!!!」
「…」
「ほらみろ!!」
「何着ても服は服なんだからいんじゃね?」
という会話を繰り広げていた。少し身長や体格が違う二人。小さい人が大きいのを着るのは大丈夫かもしれないけれど逆はかわいそうだ。朝からおもしろい会話が常に溢れている。お母さん曰く、「きっとパンツもどっちがどっち履いてるかなんてわかってないわよ」と言っていた。パンツぐらい自分のパンツを履いてほしいものである。